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蠢くものども

わたしの欲望の深淵で…なにかが蠢いている。
幼いころ…ごみ焼き場で見た黒犬の屍骸…。
焼かれることも土をかけられその形骸を隠されることもなく…日に日に朽ちていく。
黒い毛が抜け落ち肌が死肉にかわり腐臭が空に散るころには恐ろしい骸骨がぽっかりと犬の目玉を晒していた。

わたしは怖くて怖くてその通学路を通ることができないと思いながら…どうしてもそこで歩をとめずにはいられなかった…。
小さな女の子の下腹は…なにか言葉にすることができない逼迫した塊に疼いていた…。

あの光景を今も思い出す。


通勤路の途中に佇む平屋の廃屋がずっと放置されて、わたしの心に何か呼びかけていた。
それがとうとう解体されるらしく、その朝は業者の車が入っていた。

庭に面した縁側の雨戸が外され畳が剥がされだらしない容貌を晒す家屋に…子宮が疼き心が傾倒する。
それは剥き出しにされた暗がりの奥にはしたなく興奮していやらしい牝を疼かせ…欲情になる…

朝と…夕…壊される準備をされる廃屋を横目に、ざわざわと心を逸らせてその場を行過ぎた。

雨のなか明日にはなくなってしまう半壊の家屋のぽっかり開いた空間に、吸い寄せられるように夕まずめに紛れて足を踏み入れた。

襖の仕切りだけの二間に二畳ほどの狭い流し台があるだけの台所…薄い泥の壁に囲われたお風呂…全てが昭和初期の長屋のような造りで牝を興奮させる。

暗闇としとしとと降る雨と埃の匂いに理性は抗い切れず、チープな流し台に乳房を押しつけ尻を突きだし緊張の吐息が喘ぎになる…

立ち入り禁止の場所で…夢中に乳房を揉みしだき尻を振る牝の背後で小さな物音と息を呑む気配、一気に我に返り全身に冷や汗が滲む。

恐る恐る振り返るとそこには先の住人だった猫達が、やはり緊張し身構えながらわたしから眼を離さないで居た。

猫だけじゃない…誰かの視線を急に感じ罪悪感に駆りたてられシャツから零れる乳房を掻き寄せながら廃屋から逃げる…。

闇から逃げ切って息を吐き震える膝を抑えて、発情する牝を抑えられない恐怖に嫌な汗をかく…それでも内腿を熱く濡らすのだ…

わたしの奥底に流れる淫らな牝の業が…時折り暴走する。
朽ちた見捨てられたなにかに呼応する…。


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